フリーランスとして安心して働ける環境を整備するためのガイドライン

投稿日:2026年6月14日

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現場からの質問

「第3 フリーランスと取引を行う事業者が遵守すべき事項」について教えてください。

AI+行政書士・社労士の回答

1 フリーランスとの取引に係る優越的地位の濫用規制についての基本的な考え方
事業者がどのような条件で取引するかについては、基本的に、取引当事者間の自主的な判断に委ねられるものであるが、フリーランスが受注事業者として行う取引については、通常、企業組織である事業者が発注事業者となることが多く、発注事業者とフリーランスとの間には、役務等の提供に係る取引条件について情報量や交渉力の面で格差がある。
そのため、フリーランスが自由かつ自主的に判断し得ない場合があり、発注事業者との取引において取引条件が一方的に不利になりやすい。
自己の取引上の地位がフリーランスに優越している発注事業者が、フリーランスに対し、その地位を利用して、正常な商慣習に照らして不当に不利益を与えることは、当該フリーランスの自由かつ自主的な判断による取引を阻害するとともに、当該フリーランスはその競争者との関係において競争上不利となる一方で、発注事業者はその競争者との関係において競争上有利となるおそれがあるものである。このような行為は、公正な競争を阻害するおそれがあることから、不公正な取引方法の一つである優越的地位の濫用として、独占禁止法により規制される。
どのような場合に公正な競争を阻害するおそれがあると認められるのかについては、問題となる不利益の程度、行為の広がり等を考慮して、個別の事案ごとに判断することになる。例えば、①発注事業者が多数のフリーランスに対して組織的に不利益を与える場合、②特定のフリーランスに対してしか不利益を与えていないときであっても、その不利益の程度が強い、又はその行為を放置すれば他に波及するおそれがある場合には、公正な競争を阻害するおそれがあると認められやすい。下請法と独占禁止法のいずれも適用可能な行為については、通常、下請法を適用する。
2 発注時の取引条件を明確にする書面の交付に係る基本的な考え方
発注事業者が役務等を委託するに当たって、発注時の取引条件を明確にする書面を交付しない又はフリーランスに交付する書面に発注時の取引条件を明確に記載しない場合には、発注事業者は発注後に取引条件を一方的に変更等しやすくなり、後に、当該変更等が行われたことを明らかにすることが困難な場合も生じ得る。このような状況は、後記のような優越的地位の濫用となる行為を誘発する原因とも考えられ、これを未然に防止するためには、発注事業者において、当該フリーランスが発注時の取引条件を書面で確認できるようにするなどの対応をしておくことが必要である。このように、優越的地位の濫用となる行為の誘発を未然に防止するという意味において、発注時に取引条件を明確にすることが困難な事情があるなどの正当な理由がない限り、発注事業者が当該書面を交付しないことは独占禁止法上不適切である。
なお、下請法の規制の対象となる場合で、発注事業者がフリーランスに対して、下請事業者の役務等の提供内容、下請代金の額、支払期日及び支払方法その他の事項を記載した書面を下請事業者に交付しない場合は、下請法第3条で定める親事業者の書面の交付義務違反となる。
また、下請法の書面の交付に当たっては、フリーランスが事前に承諾し保存する前提であれば、電磁的方法による交付も認められている。その際、親事業者が、クラウドメールサービスやオンラインストレージサービス、ソーシャルネットワークサービスといったオンラインサービスを用いて書面を交付することも可能である。この場合、ダウンロード
機能を持ったサービスを用いるなどして、フリーランスが記録できるようにする必要がある。
なお、親事業者は、下請法の書面の交付や書類の作成・保存について、自身の代理として、第三者に行わせることも認められる。ただし、フリーランスとの間で下請法上の問題が生じた場合は、当該第三者ではなく、親事業者がその責めを負うこととなることには留意しなければならない。
3 独占禁止法(優越的地位の濫用)・下請法上問題となる行為類型
優越的地位の濫用として問題となる行為とは、「自己の取引上の地位が相手方に優越していることを利用して、正常な商慣習に照らして不当に」行われる、独占禁止法第2条第9項第5号イからハまでのいずれかに該当する行為である。

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